療養型病院の看護師の給料は、急性期病院と比べて一律に高い・安いとはいえません。一般には、基本給や賞与は病院の規模や運営法人の影響が大きく、月給は夜勤回数や手当によって変わります。
そのため、療養型病院の看護師の給料を比較するときは、求人票の月給だけでなく、夜勤回数、夜勤手当、賞与、残業代、年間休日を含めて確認することが重要です。
療養型病院の看護師の給料は、急性期病院とどう違う?
療養型病院では、急性期病院よりも患者の入院期間が長く、状態が比較的安定している病棟があります。一方で、医療的なケアや日常生活の支援を継続して行うため、看護師の業務が少ないとは限りません。
給料の違いは、主に次のような条件で生じます。
| 比較項目 | 療養型病院 | 急性期病院 |
|---|---|---|
| 基本給 | 病院の規模、法人、経験年数などで決まる | 病院の規模、法人、経験年数などで決まる |
| 夜勤手当 | 夜勤の有無と回数によって変わる | 夜勤の有無と回数によって変わる |
| 残業代 | 病棟の業務量や勤務体制によって変わる | 緊急入院や処置などの状況によって変わる |
| 賞与 | 法人や病院の業績、規定によって異なる | 法人や病院の業績、規定によって異なる |
| 給与に影響する手当 | 夜勤、資格、住宅、処遇改善などの手当 | 夜勤、資格、住宅、救急・危険手当などの手当 |
つまり、療養型病院だから必ず給料が低い、または急性期病院だから必ず高いという比較はできません。基本給が高くても夜勤手当や賞与が少ない場合があり、基本給が同程度でも夜勤回数によって月収が変わることがあります。
療養型病院の給料が低く見える主な理由
療養型病院の求人を見たときに給料が低く見える場合、夜勤回数や手当の表示方法が関係していることがあります。
夜勤回数が少ない、または月給に含まれていない
求人票の月給が「夜勤手当を含む金額」なのか、「夜勤手当を含まない基本的な金額」なのかは、必ず確認が必要です。月給に夜勤手当が含まれている場合は、何回分を想定した金額なのかも見ます。
同じ月給でも、月4回の夜勤を含む求人と、夜勤なしの求人では、給与の構成が異なります。夜勤回数が変わったときに月収がどの程度変わるかも確認しましょう。
基本給と手当の割合が違う
基本給が低く、資格手当や職務手当などの手当で月給を高く見せている求人もあります。基本給は、賞与や昇給、退職金の計算に影響することがあるため、月給の総額だけで判断しないことが大切です。
残業が少なく、残業代が少ない
療養型病院では、急性期病院と比べて緊急入院や急な処置が少ない職場があります。その場合、残業時間が少ない分、残業代を含めた月収は高くなりにくいことがあります。
ただし、残業が少ないことは、収入面だけでなく勤務後の予定を立てやすいというメリットにもなります。給料の比較では、残業代を含めた月収と、残業の負担を分けて考える必要があります。
療養型病院の看護師の年収を比較するときの確認項目
病院同士を比べるときは、求人票に記載された月給ではなく、実際に受け取る可能性のある年間の給与を比較します。次の項目を同じ条件で並べると、違いを判断しやすくなります。
- 基本給はいくらか
- 月給に含まれる手当の種類と金額
- 夜勤手当は1回いくらか
- 月の夜勤回数は何回か
- 賞与は何か月分か、算定基準は何か
- 昇給の有無と前年度実績
- 残業代が別途支給されるか
- 住宅手当や扶養手当などの対象条件
- 退職金の有無と勤続年数の条件
- 年間休日と有給休暇の取得状況
特に、賞与の「何か月分」という表示は、基本給を基準に計算する場合があります。月給全体に賞与の月数を掛けて、実際の年収を計算できるとは限らないため注意が必要です。
給与を比較する計算方法
求人の条件を比較するときは、次のように年間の収入を分けて考えます。
年間の給与の目安 = 月給のうち毎月支給される金額 × 12か月 + 賞与 + 条件に応じた手当
ただし、月給に夜勤手当が含まれている場合や、賞与の算定基準が基本給の場合は、求人票の条件に合わせて計算する必要があります。税金や社会保険料を差し引く前の金額か、差し引いた後の手取り額かも区別してください。
たとえば、仮に「夜勤手当を含む月給」と「夜勤手当を含まない月給」が掲載されている場合は、夜勤手当の回数をそろえて比較します。片方だけ夜勤手当を含めたまま比べると、実際より差が大きく見える可能性があります。
療養型病院が向いている看護師は?
給料の高さだけでなく、働き方も重視する人には、療養型病院が選択肢になる場合があります。特に、次の条件を重視する人は、求人内容を確認する価値があります。
- 患者と長く関わる看護をしたい
- 退院後の生活を見据えた支援をしたい
- 急な入院や処置が多い環境から働き方を変えたい
- 残業や勤務後の負担を抑えたい
- 高齢者看護や慢性期看護の経験を積みたい
一方で、夜勤回数が少ない職場では、夜勤手当を含めた月収が低くなることがあります。また、療養型病院でも、人工呼吸器管理、吸引、経管栄養、褥瘡ケアなどの医療的ケアが多い病棟があります。
「急性期より楽そう」「業務が少なそう」といった印象だけで判断せず、受け持ち患者数、夜勤体制、看護補助者の人数、介護業務の範囲を確認しましょう。
求人票で確認すべき質問
給料の比較で迷ったら、応募前または面接時に次の点を具体的に尋ねます。
- 掲載されている月給は、夜勤何回分を含んでいるか確認する。
- 夜勤手当の金額と、夜勤時の勤務人数を確認する。
- 賞与は基本給を基準に計算するのか確認する。
- 残業代、資格手当、住宅手当などが別途支給されるか確認する。
- 経験年数や前職の給与が基本給に反映されるか確認する。
- 入職後の試用期間中に給与や手当が変わるか確認する。
「月給○万円以上」のような表記だけでは、経験年数や夜勤回数による違いが分からないことがあります。自分の勤務条件を伝えたうえで、想定される給与の内訳を確認すると比較しやすくなります。
療養型病院の看護師の給料を比較するときの結論
療養型病院の看護師の給料は、ほかの病院より一律に高いとも低いともいえません。差が出やすいのは、病院の給与規定、夜勤回数、各種手当、賞与、残業時間です。
比較するときは、基本給・夜勤手当・賞与・残業代を分けて、同じ勤務条件で年間収入を比べることがポイントです。給料だけでなく、夜勤の負担や業務内容、休日も合わせて確認し、自分が希望する働き方に合うかで判断しましょう。







